Type-C充電の罠!? パソコンが起動しなくなった
今回は私が体験したパソコントラブル事例としてType-C充電の罠をご紹介します。
似たような経験をした方、もしくは同じような経験をしている真っ最中の方はぜひ参考にしてください。
※トラブル紹介記事では筆者が経験した事例を参考に趣旨を変えないよう脚色を加えたセミノンフィクションです。あらかじめご了承ください。
経緯
ノートPCを利用している方から『パソコンの電源を入れると英語の画面が表示されて使えない、困った!』と連絡がありました。
この連絡を受けて”電源を入れた後に”、”英語の画面”が出て”パソコンが使えない”というワードからBIOS
かUEFIの画面がなぜか表示されて進んでないんだろうな、と予想しました。
BIOSの画面が表示されるということは重症なパターンが多いので、長丁場を覚悟しながらトラブル対応することにしました。
ノートPC(15インチくらいの大きさ)
Windows10 64bit 20H1(たぶん)
メーカー:DELL
充電は専用ACアダプタをUSB Type-Cポートにさして給電するタイプ
状況確認
話の内容からWindowsが起動していないことは確実なので得意技の『遠隔操作で状況を確認する』技は使えません。
幸いなことに歩いて行ける範囲にパソコンはありましたので、今回は直接パソコンの画面を確認しに行きました。遠方にPCがある場合は画面を撮影した写真を送ってもらうか、英語の読み上げをしてもらえそうならしてもらってください。
さて、肝心の表示を確認すると正確には覚えてないんですが”Low Power”とか”AC Adaptor”とか”Supply”とか表示されています。
要約すると”電源供給に使っているACアダプタの電力供給が低いですけどOS起動しますか?”的なメッセージが表示されていました。
さて、どうしたことかと手元のノートPCを見てみるとType-Cポートに何やら見慣れない物体が接続されているではないですか。よくよく見ると、、、
USB Type-Cドッキングステーションがささっています
そんなものを貸与した記憶はないので確実に個人購入したものですが、LANケーブルやらモニタ出力やらUSB周辺機器やらいろいろささってます。
もちろん、ドッキングステーションの役割は色んな周辺機器をType-C1つで解決できる優れものなのでいろんな周辺機器がささっていること自体はなにもおかしくありませんが、よく見てみると。
これ、100Vコンセントにもつながってるよ
ということが分かりました。
今回のオチ
ささっていたドッキングステーションはどうやら接続したPCやらスマホに給電する機能があったようです。いわゆる充電機能付きドッキングステーションという奴でした。
しかしながら、そんなに大きいドッキングステーションではなかったので給電能力(いわゆる定格出力。何ワットとかよく言いますね)は推して知るべしです。少なくとも15インチノートPCの充電をする能力はありませんでした。
そして”給電能力の不足しているACアダプタが接続された!”と勘違いしたPCさんはBIOS(UEFI)レベルで警告をしてくれていた、ということでした。
対応
ユーザー曰く「ノートPCを会議室に持っていくたびにLANケーブル外して充電器外してHDMI外して、、、という作業が手間で1回で抜き差しできるドッキングステーションを接続した」とのことでした。
しかし当然のことながら、接続するとBIOS警告が出るようなドッキングステーションを接続してはいけません。
ドッキングステーションを抜いて純正ACアダプタにさしかえたら何事もなくWindowsは起動しましたとさ。
ドッキングステーションそのものが悪い訳ではありませんが(私も便利なので持ってます)、スマホ向け充電機能をそのままパソコンに使えると思ってはいけません。
得られた教訓
- USB Type-C付パソコンは最近増えていますが、接続するモノによっては電源不具合を引き起こす
- USB Type-Cポートがあるということは、ユーザーが得体の知れない何かを接続する可能性がある
- BIOSが賢いと給電をとめてくれるが、上限超えて電源供給されると発熱がすごいことになる(今回はそうならなくてよかった)
- 定格出力が高いドッキングステーションがあったとしても、そもそも純正品以外でパソコンの充電はやめましょう。不具合の温床になっていいことないです(バッテリ劣化とか部品劣化とか)