右クリックしたらエクスプローラが落ちる

2021年7月24日

今回はトラブル対応ということで、『右クリックしたらエクスプローラが落ちる』という摩訶不思議な事例をご紹介します。

なお、エクスプローラとは下記画像のようにWindowsでファイルやフォルダをGUI表示してくれる機能の名前です。

似たような経験をした、もしくはしているという方は是非参考にしてみてください。

動作環境

ある時突然、『何もしてないのに、急にデータを見る画面が消えて無くなる』という怪奇現象のような連絡が入りました。

トラブル対応においてユーザーが何もしてないのに何かが起きることは珍しいので、とりあえず遠隔操作にて確認することにしました。

まずはユーザーの言っている”データを見る画面”とは何のかを調べる必要があります。

こういう時に『Wordですか？Excelですか？メールですか？』と手当たり次第に質問してもいいですが、少し時間がかかってしまいます。

この場合、ユーザーご自身は”データを見る画面”とやらの表示のさせ方は知っているようでしたので、私は一言『とりあえずデータを見る画面を表示してください』と指示しました。

このように、相手の言葉に合わせるという方法はヘルプデスクなら役に立ちますので、是非活用してみてください。

さて、話を戻してユーザーに”データを見る画面”を表示してもらい遠隔モニタリングで確認したところ、それはWindowsのエクスプローラであることが分かりました。

どのプログラムに対して不具合が発生しているのかは分かりました。あとは”何が起きているのか”と”どうして起きるのか”を探っていきます。

まず”何が起きているのか”ですが、今回はあっさりと判明しました。

私が遠隔操作にて色々触っていると、”エクスプローラ上で右クリックしたタイミングでエクスプローラがフリーズし、そのまま開いていたエクスプローラ全てが落ちる（＝消えてなくなる）”ことが分かりました。

ファイルやフォルダのプロパティとかを見るのに右クリックして表示するメニュー（コンテキストメニューと言います）を私が表示させようとしたところ、まさしく突然にエクスプローラが落ちたのです。

デスクトップやタスクバーもエクスプローラと関係は深いので、こいつらで右クリックしても同じ現象は起きたかもしれません。

幸いに”どうして起きているのか”というトリガーも”右クリック”ということが分かりました。

続いて原因究明ですが、これは少し骨が折れそうです。

何しろ、私自身こんな経験や過去事例は聞いたことがありません。

とりあえず手探り状態でWindows イベントビューアで何かエラーが出ていないか調べてみます。

すると、下記画像のようにイベントID1000でexplorer.exeでアプリケーションエラーが発生していることが分かりました。

発生時刻も私がエクスプローラ上で右クリックしたタイミングと同じです。

さて、大きなヒントが見つかりました。

ここで例外コードとか障害オフセットをネットで検索して、さらなる詳細調査してもよいのですがWindows標準機能の不具合の場合はWindows UpdateやPC再起動で修復する可能性があります。

というわけでWindows Updateで更新の確認をかけたところ、Windows 10 Version 21H1の累積更新プログラム（KB5004237）のダウンロードが始まりました。

後は適用されるまで少し待ちましょう。

今回は更新適用まで10分ぐらいかかりましたので、その間ユーザーにはPCを使わないお仕事をしてもらいました。

更新の適用が完了してPCの再起動をすると、Windows Updateの KB5004237は正常に適用されました。

そして再びエクスプローラを開いて状況を確認するために右クリックすると、何事もなくコンテキストメニューが表示されました。

再起動で直ったのかWindows Updateで直ったのか今となっては分かりませんが、不具合の解消はしたのでよしとします。

このようにヘルプデスク業務において真の原因（真因ともいいます）を追究しないこともあります（そんなにヒマじゃｎ（略））。