Windows11へ移行するにはパソコンを買い替えないといけないのか?
ついに発表されたWindows次期バージョンのWindows11ですが、社内SEの仲間たちはかつてのWindows XPや7を思い出しながらこんなことを思っていないでしょうか。
Windows11をインストールするにはパソコンを買い替えないといけないのか?
Windows10のサポート終了が2025年とアナウンスされている以上は、社内SEとして当然の疑問と思います。私自身も同じ疑問は当然持ちました。
この疑問に対する回答は、どのような観点から捉えるかによって随分と違ってきます。
例えばパソコンのスペックや性能といった観点からすると、Windows11の必須要件にパソコンというハードウェアが対応しているかどうかを確認する必要があります(ちなみにこの観点の確認方法としてMicrosoftから確認ツールなるものが無償提供されていますので、気になる方はそちらをどうぞ)。
パソコンのスペックのお話は他サイトでこれでもかというほど情報があふれていますので、当ブログでは社内SE的観点から具体的な移行シナリオを想像してみたいと思います。
Windows 7のEOSではどうだったか
社内SEにとって印象的で頭に残っているのはWindows 7からWindows 10へのお引越し作業ではないでしょうか。
かくいう私自身もWindows 10PCキッティング作業を経験しました。
それで思い出してほしいのですが、Windows 7のEOS(End of Service:いわゆるサポート終了)前にどんなイベントがあったでしょうか。
ざっと時系列にするとこんな感じでした。
- 2014年9月30日 Windows8.1の後継となるWindows10発表
- 2015年7月29日 Windows7,8.1からWindows10への無償アップグレード提供開始
- 2016年7月29日 Windows10の無償アップグレード提供終了
- 2020年1月14日 Windows7のEOS
さて、今回のWindows11リリースがWindows7のときと同じように進む保証はありませんが、仮にこのような流れで進むと想定すると下記のようになります。
- 2021年6月24日 Windows10の後継となるWindows11発表
- 2021年後半(10月~12月ぐらい?) Windows10からWindows11への無償アップグレード提供開始
- 2022年後半(10月~12月ぐらい?) Windows11の無償アップグレード提供終了
- 2025年10月14日 Windows10のEOS
さて、1番と4番はすでにMicrosoftから公式に発表されています。2番は提供時期こそ明確になっていないものの、2021年後半に無償アップグレード提供開始予定ということは発表されています。
3番は現時点で情報はまだ少ないですが、それらしい記述やWindows7のパターンを考慮すると近しいものがあるでしょう。
ここで思い出してほしい
Windows7のEOSが間近となった2019年にパソコン販売業界で何が起きたのか
パソコンの需要が急増して供給が追い付かないほどになっていました。
つまり、いろんな企業や個人がWindows10搭載PCを求めてパソコンの買い替えをしました。
なぜパソコンを買い替えたのか?
これは今だからこそ持てる疑問ですが、なぜかWindows10の無償アップグレードができたにもかかわらずWindows7のサポート終了間際になってパソコンの買い替え騒動が起きました。
このことから”Windows7のEOSが来る前にWindows10を無償アップグレードしたパソコンの割合は少なかった”ということが見えてきます。
つまり、無償アップグレード期間中にアップグレードしない選択をした社内SEがいます(実は私も。。。)
この選択をした時点でパソコンの買い替えは確定します。なぜなら”手元に残るパソコンはサポート終了を控えたWindows7だけ”+”Windows10の無償アップグレードは終わった”からです。
では、どうして無償アップグレード期間中にアップグレードしなかったのか、という点が気になってきます。
その理由としては、
- リリースされたばかりのWindows10は不具合が多かった
- Windows7でしか動かない内製システムがあった
- Windows10を検証して社内展開する業務の余裕がなかった
- OSのサポート終了とパソコンの買い替えは当たり前と思い込んでいた(XPのときはそうだった)
- Windows7のEOSと同時にパソコンを買い替えるつもりだった
などがあるのではないかと思います。
5番の理由に該当する方はそこにかかる費用が計画されているので計画的投資と思いますが、1~4番の人たちは無償アップグレード期間中にWindows10にしておけば新しいパソコンを買わずに済んだかもしれません。
ただし、もう一度言いますがこの評価はただの結果論です。
実際問題としてWindows10リリース当時に不具合が多かったのは事実(特にWindows Update関連がひどかった)ですし、動作不安定なOSに全社移行することは現実的ではないです。
ところが結果のみに注目すると”使っているパソコンのハードウェアスペックがWindows10に対応しているかどうか関係なくパソコンの買い替えをした”のです。
Windows11移行に置き換えてみる
さて、もう一度Windows11移行のスケジュール予想を振り返ってみます。
- 2021年6月24日 Windows10の後継となるWindows11発表
- 2021年後半(10月~12月ぐらい?) Windows10からWindows11への無償アップグレード提供開始
- 2022年後半(10月~12月ぐらい?) Windows11の無償アップグレード提供終了
- 2025年10月14日 Windows10のEOS
状況がWindows7サポート終了時と酷似しているので、ある判断を突き付けられています。
Windows11無償アップグレード期間中に社内PCをWindows11にアップグレードするかどうか
この判断は社内SEの立場からすると、かなり疲れる判断をしないといけません。
個人端末の場合はパソコンの買い替えが嫌ならさっさとアップグレードしてしまえばいいです。
ところが、何十台、何百台、場合によっては数千台を管理する社内SEとしての判断はそう簡単ではありません。
仮にWindows11に無償アップグレードしたとします。
もしWindows11に更新して動かなくなるシステムがあったら、会社の業務が最悪停止しかねません。いわば事業継続の危機です。
Windows11にしてからWindows10に戻せる仕組みがあったとしても、そこにかかる作業時間は膨大なものになります。
仮にWindows11に無償アップグレードしなかったとします。
この判断をした時点で2025年10月14日のWindows10サポート終了までにパソコンの買い替えが確定します。
Windows11が単品パッケージ販売されていればそれを購入すればいいかもしれませんが、そこまでして古いパソコンを使いまわすことはコストパフォーマンスが悪いでしょう(場合によってはこの判断は有効ですが)。
つまりはやや強引に結論付けると
2025年までにパソコンを買い替えるかどうかの判断を2021年後半にはしておかないといけない
ということになります。
具体的にどうすんの?
ここまで理屈っぽい話を重ねましたが、私の社内SE的おすすめは下記のとおりです。
- 2025年までに買い替えるパソコンと2025年以降も使いたいパソコンに分ける
- 2025年以降も使いたいパソコンがWindows11のハードウェア要件を満たすか確認する
- Windows11の無償アップグレード提供開始後、ただちに社内システムのWindows11動作検証をする
- 2025年以降も使いたいパソコンのうち、社内システムの動作確認が取れたパソコンから無償アップグレードする
とまあ、こんな感じでしょうか。細かい判断材料はそれぞれの企業さんによって異なるでしょうから、ひとつの考え方程度に捉えてもらえればと思います。
少なくとも見て見ぬふりとか問題の先送りにすると、待ち受けるのは”全パソコンの買い替え費用発生”という身もふたもない未来だけなので現実はしっかり見ましょう。
まとめ
Windows10のEOSは2025年とあと4年はありますが、Windows11の移行計画はもう始めても遅くない時期です。
後手後手の対応とならないよう、本記事が少しでもお役に立てれば非常に嬉しいです。
※本記事は未確定の情報を含みます。常に最新の情報にはご注意ください。