Windows Admin CenterでWindows PCを管理する

2023年7月31日2023年8月1日

MicrosoftはWindows Admin Centerというツールを無償で公開しています。このソフトはAzure上のVMも含めてWindows Serverの状態を取得したり、管理することができるツールです。

もともとはWindows Server Coreエディション（デスクトップの無いWindows Server）の管理コンソールとして開発が進んでいましたが、現在は機能拡張されてデスクトップのある通常のWindows Serverや、Windows 10,11などのクライアントPCにも対応しています。

今回はAdmin CenterでWindows PCを管理するメリットとできないことをまとめてみました。

メリット

無償で使える

お金がかからないというのはいいもので、場合によっては社内申請なしで使えるでしょう。

インストールしてみてよかったらそのまま使えるし、よくなかったとしてもアンインストールすればOKなので気軽に試せます。

また、Microsoft純正で今も開発が続いているツールとなりますので、無償で使えるといえどもセキュリティ的にも安心感があります。

https://www.microsoft.com/ja-jp/windows-server/windows-admin-center

エージェントのインストールが必要ない

端末を管理するソフトウェアというのは、管理対象にエージェントソフトをインストールするタイプとしないタイプに分かれます。

Admin CenterはエージェントソフトをインストールしないでWindows端末を管理することができます。
実際にはWindows Remote ManagementというサービスとPowerShellを使いますが、Windows 10/11であれば標準で搭載されています。
ただし、既定の設定ではサービスは手動起動かつWindows Defenderのファイアウォール設定でポートが閉じられているので事前の設定が必要になります。（詳しくはこちら）

小規模展開が可能（サーバーレスでもOK）

Admin Centerはサーバにインストールしてブラウザベースで管理コンソールが動作しますが、Windows ServerではなくWindows 10/11 PCにサーバ機能をインストールすることができます。

インストールしてみるだけなら、Microsoft公式からAdmin Centerのインストーラをダウンロードして自分のPCにインストールするだけでOKです。

もちろん、Windows Serverにインストールして複数人で利用できるようにしたり、スタンバイサーバを構築することもできます。無償なのにいくつかの運用形態に対応しています。

ユーザーの操作に無関係で遠隔操作ができる

WindowsクライアントPCを遠隔操作する方法としてリモートデスクトップ接続がありますが、誰かがリモート対象のPCを使っていると強制ログアウトされるというデメリットがあります。つまり情シスの遠隔作業中はユーザーの業務が停止します。

一方、Admin Centerを利用すると、リモートデスクトップ機能を使わずにユーザーのPCにディレクトリを作成したり、イベントログにアクセスしたり、任意のコマンドを実行したりすることができます。
ユーザーの業務に影響のない操作であれば、ユーザーは通常通り業務をしながら裏の処理でヘルプデスク作業が進められます。

ユーザーがいつしびれを切らすかと心配しながらヘルプデスク作業をする必要がなくなります。