Internet Explorerのサービス終了に備える

社内SE界隈ではWindows 10のサービス終了とWindows 11の台頭という話題でもちきりかもしれませんが、しれっと近いうちにサービス終了がアナウンスされているのがIEことInternet Explorerです。
Windows 11への備えを始めないといけない社内SEにとって耳の痛い話ですが、IEもサービス終了がアナウンス済みです。
楽〇EdyのサイトがIEのみ対応のままになっていて、「これでやっと重い腰を上げてくれる!」と個人的な期待をしながらも、一方では「社内のIE依存システムをなんとかしないと。。。」と重い腰を上げざるを得なくなりました。
そんなIEサービス終了に備えるべく、社内SE的視点から語ってみたいと思います。
スケジュール
具体的にいつ何が起きるの?ということで時系列にまとめてみました。
- 2021年8月18日 Microsoft365や他アプリでのIEサポート終了
- 2022年6月16日 IEがデスクトップアプリとして起動しなくなり、Edgeにリダイレクトされる
- 2029年(仮) EdgeのIEモードサポート期限
とこのようになっています。EdgeのIEモードサポート期限はMicrosoftが”少なくとも2029年までサポートする”ということなので仮としました。
Microsoft365や他アプリとありますが少し掘り下げるとTeamsとかSharepointとかOneDriveとかのことです。あとはMicrosoft製のアプリでブラウザを利用するようなものが対象でしょう。
そして”IEがデスクトップアプリとして起動しなくなる”とはどういうことか。かなり絞って簡潔に説明すると、”下の画像のような画面はもう起動しません。起動しようとしたらEdgeに転送します”ということと考えてください。

”IEが使えなくなる”と言い切らない理由としては、後継ブラウザであるEdgeにはIEモードというのがありますが、Edgeの中でIEっぽい何かを動かしているわけではなく本物のIEのエンジンが動いており実際には”IE(のエンジン)は使える”から、という回りくどい理由があるんだと思います。
ちなみに実行ファイル本体であるところのiexplore.exeも残るそうです(もしかしてEdgeのIEモードってEXE実行してるだけじゃないだろうな?)。
というわけで、スケジュール感はWindows 10の終了よりも遥かに短く、こちらの方が社内SEとして喫緊の課題ですね。
Microsoft365のIEサポート終了
Microsoft365を使っていない方や”それはなんですか?”な方は無視して構いません。
もちろん、既に社内の既定のブラウザはEdgeやChromeだ!な方も無視してかまいません(そもそもそんな人はこの記事をたぶん読まない)。
これはMicrosoft365、とりわけBusiness BasicやEnterprise E1といった契約をしている企業さんは要注意です。
Business BasicやE1プランにはアプリ版Office(ExcelとかWordとか)が含まれていません。
元々Office2016やOffice2019といった永続利用ライセンスを導入していた企業さんが”TeamsとかOneDrive使いてえなあ。でもサポート期間中のOfficeはあるからイラネ”という事情で契約されているかと思います(E3はE1の3倍ぐらい高いですからね)。
ところがOffice2016やOffice2019はMicrosoft365の機能を十分に活用できない(特に共有回り)ので、ブラウザ版のOfficeを利用するケースがあります。
ここで話を戻してMicrosoft365のIEサポートが終了したときに、ブラウザ版OfficeをIEで開くとどんな動作になるのかがカギです。
おそらく2021年8月18日前後に配信されるWindows UpdateによってPCに手が加えられるのだと思いますが、”警告画面が表示されて動作が停止する”のか”自動でEdgeにリダイレクトされる”のか”そもそもサポートしないだけでIEで動くには動く”のかによって対応が変わります。
”自動でリダイレクト”が私的には一番ありがたいですが、そんなことはアナウンスされていないのでおそらくしてくれないでしょう。
”警告画面が表示されて停止”は少し面倒ですが警告画面に”Edgeで開く”みたいなリンクを置いてもらえればまだいいなと思います。
私的には”IEでそのまま動いちゃう”のが避けたいところです。
「え?とりあえず動いてくれるんだから手がかからなくていいじゃん!」とご多忙な社内SEさんの声が聞こえてきそうですが、確かにそれは同意します。
ただ、サポートされないと明言されている以上は何らかの不具合が発生してもおかしくないですし、何かの不具合が起きた時には結局Edgeに変えるしかないのです(加えてこういうパターンのトラブルシューティングは面倒なことが多い)。
それに”IEで動いちゃう”ということはユーザーのIE依存はそのまま放置されて、2022年にアプリが一切起動しなくなったときにてんやわんやしてしまいます。
なので、どうせならいい機会だと思ってユーザーにEdgeに慣れてもらいたいと思うわけです。
で、少し長くなりましたが後述のIE依存システムが無くMicrosoft365を利用している方は、今年の8月という短い期限も迫っているのでさっさと既定のブラウザを変更するマニュアルを作ってバラまきましょう。
次回で”IE依存のアプリがあるパターン”についてご紹介します。